HEADHUNTER INTERVIEW

会社や仕事の紹介にとどまらず、
新たな世界観を提示することで
人生が変わる体験を提供したい。

パーソルキャリア 
エグゼクティブエージェント 
エグゼクティブコンサルタント

伊藤 卓哉

得意分野:金融・ファンド業界
大手証券会社に約5年間勤務し、リテール業務とホールセール業務(投資銀行業務)の双方に従事。退職後に金融コンサルティングのベンチャー企業に参画、アセットやファイナンス、経営コンサル、ベンチャー投資など多様な事業を経験し、2011年に当社へ参画。金融業界と異業種の間をつなぐ転職支援で豊富な実績を誇る。

業界の外にも広がっている
多様なキャリアの可能性を知ってほしい。

私は金融業界の転職希望者の方々のご支援を担当しています。他の業界の方々に比べて、都市銀行や地方銀行、投資銀行、大手証券会社などで働いている方の多くは、現在所属している組織の外でのキャリア形成について考えたり、「自分はどうして現在の職場で働いているのか」という疑問を持ったりする機会が極端に少ない傾向があると感じています。難度の高い採用試験を通過し、当たり前のように「巨大な金融市場の一翼を担っている」「現在の仕事をしていること自体に意義がある」という世界に身を置いているため、自分自身の本当の市場価値、業界の外に広がっているキャリアのチャンスや可能性に関して興味を持つ必要がないと言えるかもしれません。私も証券会社で働いていた当時は、業界の外の世界に興味を持つこともなく、当然ながら他業界への転職など一度も考えたことがありませんでした。

金融業界での経験が長ければ長いほど、以前の私のように「業界内や自分の会社のこと以外は知らない」という状況に陥りがちです。そうした転職希望者の方々に対しては、スキルや経験、ご希望を考慮した求人や会社を提案するだけにとどまらず、ご自身が想像もしていなかったような新たなキャリアの可能性、金融業界の外にも広がっている大きな世界の広がりを知っていただきたいという思いから、さまざまな話をさせていただくことが多いですね。

金融大手とベンチャー、両極端の経験が
ヘッドハンターの仕事に活きている。

大企業グループの証券会社で働いた経験に加え、ベンチャー企業で働いていた経験も現在のヘッドハンターの仕事に活かすことができていると感じます。在籍していること自体に価値があり、日々の業務そのものが価値となる大企業で働いた経験がなければ、現在そうした環境で働いている転職希望者の方々の気持ちを汲み取ることはできません。一方ですべてを自分たちで決断し、自分たちの力で仕事を掴み取らなければならなかったベンチャー企業での経験があるからこそ、会社や業界の外に広がっている世界観についても、ある程度の説得力を持ってお伝えすることができると考えています。また、こうした私自身の両極端なキャリアについて話すことで心を開いていただける転職希望者の方も多いのです。

以前、外資系の大手銀行に勤める方の転職支援を担当したことがあります。最初は「いい案件があれば紹介してほしい」というドライなコミュニケーションを望まれていた様子でしたが、私の方から自分の経験やキャリアについてお話し、少しずつ距離を縮めていくようなコミュニケーションを取り続けたことにより、次第に私のことを信用してくださるようになったのです。その後は、ご本人が置かれている状況、転職によって実現したいことなどについて包み隠さず話していただけるようになったので、ご支援をスムーズに進めることができました。その方は最終的に外資系の大手コンサルティング会社に転職されました。

会う前と会った後では人生が変わった。
そんな価値観を提供したい。

とくに都市銀行などに顕著ですが、これまで金融業界の大企業は護送船団方式のような形で国に守られてきたという経緯があります。ただ、これからの金融業界は大きな変化に晒されることは間違いありません。すでに実店舗を持たないネット銀行や商業施設のATM網と連携した銀行が次々に立ち上がるなど、業界全体に大きなイノベーションが起きつつあり、さまざまな金融分野での競争が激化しています。そうした時代においては、これまでのように定年まで同じ会社、同じ業界に居続けることがリスクになるケースも出てくるはずです。私は、そうした危機感を抱いている方々に対して、異業界も含めたさまざまなキャリアの可能性をご紹介したいですし、これまで見えていなかった未来があることを知っていただきたいとも考えています。

仕事が変わると人生も変わります。私たちとお会いいただくことで、会う前の状態から少しでも人生が変わった。キャリアに対する考え方が変わった。そんなご感想をいただけるような時間を提供することが現在の私の目標です。また、少なくとも「何かを変えよう」という意思を持って来ていただいているにも関わらず、案件の話しかできないのは少々寂しく思います。私自身が転職希望者の方々のお話から学ばせていただく機会も非常に多いので、ぜひじっくりとお互いの話ができればと思っています。

※各記事の内容や経歴は、インタビュー当時のものです。