変化する40代の転職事情、成功するためのポイントとは?

「40代からの転職は厳しいのでは?」「転職後、収入が減ったら家族が困ってしまう…」「今の会社の今後も心配」などと考え、転職活動に踏み切れずに二の足を踏んでしまう40代の方も多いのではないでしょうか。しかし今や、「40代以降の転職は難しい」「転職は20代・30代のもの」という考え方は過去のもの。DXや働き方改革といった時代の波によって、40代の企業における活躍の場は広がっています。

40代のハイクラス転職に不可欠なのは、戦略です。積み重ねてきた経験や専門性を、転職先でどう活かすのかという視点を大切にすることで、「40代だから」ではなく「40代だからこそ」の転職をかなえられる可能性が高まります。
この記事では、40代の転職事情やその背景のほか、転職を成功させるためのポイントについて解説します。

なぜ40代の転職は増加したのか?

企業における中途採用比率は年々高まっており、さらに、企業の中で中堅層・ミドル層で転職を成功させる人の割合も上昇中です。なぜ40代以降の中堅層・ミドル層の転職は増加したのか、転職市場の実態やその背景をもとに解説します。

2022年にdodaエージェントサービスを利用して転職した方のうち、ミドル世代と呼ばれる35歳以上が占める割合は26.7%。全体の4分の1を上回る、高い数値となっています。
40歳以上だけで見ても13.9%に上り、どんな世代でも戦略次第で転職成功は可能であることを裏付けています。

転職成功者の年代別割合(2022年)

参照:転職成功者の平均年齢調査【最新版】|doda

また、総務省の調査*でも45~54歳の転職者数は2012年が40万人だったのに対し2022年は54万人まで増加しています。このように40代以上の転職が増えているのはなぜなのでしょうか。その理由を3つに分けて、下記で解説します。
※参考:労働力調査 (細集計)2022年(令和4年)平均

各企業で事業成長を先導できる人材確保が急務だから

社会全体においてIT化やDX、ニーズの多様化が進む今、既存の事業だけに集中している企業は競争に取り残されてしまう時代です。そのため、企業は新規事業を立ち上げ、事業を成長させていける旗振り役となり得る人材を求めています。組織や会社の枠組みの中で、さまざまな成功や失敗を重ねてきた40代以上のビジネスパーソンの経験が、企業の転換点で活かされるといえるでしょう。

スキルの高い専門職の採用が活発化したから

40代以上の転職において、大きな武器となるのは専門性やスキルの高さです。業種・職種を問わず、ICTを活用した業務改善・効率化や顧客ニーズの変化に迅速に対応できる柔軟性が着目され、新しい環境でその高い専門性を発揮することが期待されています。

転職成功者の年代別割合を、職種区分別に見てみましょう。職種は、転職前のものです。経験を積んだ業種・職種にかかわらず、40代以上の人材の有する高い専門性やスキルが広く求められていることが読み取れます。

転職成功者の年代別割合【職種区分別】

参照:転職成功者の平均年齢調査【最新版】(2022年)|転職サービスdoda

特に、企画/管理系、コンサルタント/不動産専門職、金融系専門職などは、転職成功者の中でも30代後半以降の割合が高いことが分かります。

40代以上の雇用機会が拡大したから

人生100年時代といわれている今、40代以上の活躍の場が企業内外に広がっています。
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)では、事業主に対して65歳までの定年引き上げといった高年齢者雇用確保措置を講ずることを義務付け、法改正によって2021年4月から新たに、70歳までの定年引き上げなどの措置を講ずる努力義務が設けられました。企業の中で40代以降の雇用機会や雇用できる期間が拡大し、こうした流れが、40代以上の活躍の場の創出につながっているといえます。

加えて、大きな変化として挙げられるのは、企業がDXや働き方改革に取り組んでいることです。事業・組織の変革の中で、不可欠ともいえるマネジメント能力を発揮できる人材として、40代以上の人材のニーズが拡大。リモートワークが普及し、居住地の制限なく多様な人材を受け入れるケースが徐々に増えてきています。

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40代からのハイクラス転職を成功させるために必要なこと

40代の転職において強みとなるのは、即戦力を裏付ける経験と高い専門性です。この点が、採用において「ポテンシャル」が加味される20代・30代の転職との大きな違いといえます。

高い専門性やマネジメント経験者を求めるハイクラス求人は、未経験者向けの求人と比べて求人数が少ないというのが現状です。
しかし、時代の変化に伴い、ハイクラス転職のチャンスは広がってきています。自分にマッチした転職を目指す上では、そうした転職市場の現状を把握し、自分をどうアピールするかを戦略的に考えることが大切といえるでしょう。

20代・30代の転職と、40代からの転職には多くの違いがあります。特にハイクラス転職を狙う場合は、多角的な視点から戦略を練ることが重要です。その際に、押さえておきたいポイントをご紹介します。

自分のこれまでの経験、スキルを活かせる環境について考える

転職先の企業選びにおいては、自分の経験やスキルを強みにできるかどうかはもちろん、理想とするキャリアや自己実現にプラスになるか否かも併せて検討することが大切です。
現在の職場で得られるもの、得られないもの、転職先で得たいものを明確にした上で、比較してみましょう。

ハイクラス転職のメリットのひとつは、自分のこれまでの強みを活かしながら、自分のキャリアを高められる企業を見つけやすいことにあります。より自分の希望にマッチした企業に出合うためにも、業界や条件にとらわれすぎることなく、広い視野で探すことをおすすめします。

同業界以外でも自分の経験は活かせる

今までのキャリアの中での在籍年数が長い業界を前提に検討される方は少なくありませんが、経験を活かすことができる異業界への転職も選択肢となります。意外な業界や企業で、自分のスキル、経験が求められていることもあるので、幅広い求人を見てみることをおすすめします。例えば、IT企業がペイメント系事業の開発にあたって金融系の即戦力を求めていたり、人材系企業がSaaS(Software as a Service)型ビジネスを始める際にITに知見が深い人材を探していたりすることはよくあります。
個人で転職活動をすると、どうしても視野が狭まりがちです。さまざまな人と会って、自身のスキルを活かせる業界について意見を求めてみると意外な業界とのマッチングにつながるかもしれません。

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肩書ではなく、成果へのプロセスと数字で表した実績を伝える

経験やスキルを有していることが大前提となる40代からのハイクラス転職の成功に向けては、企業が求める経験・スキルを持っていることを、面接の場で「いかに分かりやすく具体的に伝えるか」が重要です。企業によって管理職の役割、管掌範囲は異なるため、職責や成果について具体的に理解してもらえるよう、実際にどのような役割権限を持ち、どれだけの成果を出したのかを、プロセスと具体的な数字で示し明確に伝えましょう。

特に、経験やスキルをもって、どのように事業貢献できるのかを示すことも大切です。どのような業務で、どのように役に立てるのか、採用担当者や現場担当者がイメージしやすいよう伝えます。そのためにも、応募企業のビジネスモデルや業務内容など、事前のリサーチは不可欠です。

また、過去のエピソードと未来のイメージ、いずれを語る場合にも共通するポイントとして、自己分析による棚卸しが挙げられます。これまで歩んできたキャリアを振り返りながら、自分の強み、弱み、興味関心をリストアップし、それらを踏まえてキャリアプランを考えます。

自己分析による棚卸しは、自分自身を客観的に見つめ直す絶好の機会です。新たな可能性の発見につながるかもしれません。

新しい環境に慣れ、学び直しできるようなできる柔軟性を持つ

企業が40代以上に対して期待しているのは、「第一線で働ける実力」に加え、柔軟性を持って学び続ける姿勢です。そのため、企業側も「企業価値向上へどのように貢献してくれる人材なのか」という視点を採用活動でも重視。企業としても、社員の成長を支援する制度や研修プログラムを整備するなど、成長志向のある環境づくりを推し進める傾向があります。

実際、個人として成長意欲を持つ人も増えています。下記のグラフは、働く1万人を対象に実施された成長実態調査の結果です。

年代別・成長実態調査

参照:成長実態調査2021(2021年)|パーソル総合研究所

40代においては、「『働くことを通じた成長』の重要性をどれくらい感じますか?」と聞いた結果、「重要視する」との意見が、2020年の79.9%から2021年には82.1%まで伸びました。ほかの世代と比べても、40代の数値の上昇が際立っていることが分かります。

企業が40代にも成長を期待する理由としては、急速に変化する市場環境に加えて、少子高齢化やグローバル化の促進に伴い、年功序列・終身雇用などに象徴される日本型雇用が薄れてきたことも挙げられるでしょう。自分のキャリアを考える上で、学び続ける姿勢を持つことは仕事へのモチベーション向上にもつながるといえます。

知っておきたい40代以上の転職活動のリアル

40代以上の転職市場が活性化している今、キャリアアップを目指すならハイクラス転職を狙わない手はありません。ただし、40代以上の転職活動についてリアルな実態を押さえておきましょう。知っておきたいポイントは、下記のとおりです。

まったく関連のない未経験の職種への転職難易度は高い

40代以上の転職活動であっても、スキルを活かした未経験の業界・職種へのチャンスは広がっています。
しかし、これまでの経歴にまったく関連のない未経験職種への転職は、難易度が高い傾向があります。これまでの経験を活かせない場合は、大幅な職種転換は狭き門であると考えたほうがいいでしょう。企業側も、未経験の人材を採用するなら、できるだけ若い人を採用したいと考える側面もあります。

関連性のない業界への転職にチャレンジするなら、これまでの職種経験や業界経験を掛け算でアピールし、転職後にどのように会社に貢献することができるのか、採用担当者がイメージしやすいプレゼンをすることが必要です。

未経験の業界だとしても、これまでの経歴の中で接点のあった業種のほか、ビジネスモデルや商材に共通点がある企業に目を向けてみてください。アピールしやすい分、可能性が広がります。その際は、自分が活躍するために新たに必要となる知識・スキルを明確にした上で、リスキリングする姿勢も求められます。

同じような仕事内容だから即戦力になれるとは限らない

40代の方の中には、「同業種・同職種への転職であれば、今の自分のままで活躍できる」と考えている方も少なくないかもしれません。しかし、現実ではそうとは限りません。

40代以上の方が企業から求められることは、20代・30代とは異なります。それらに応じて、必要とされる業務プロセスや重視するポイントも変わるでしょう。つまり、今の自分が持っていない新たな知識・スキルが必要となる可能性もあるということです。「自分は即戦力になれるはず」という思いや、前職のやり方に固執することは、転職先での人間関係やチームワークなどにも悪影響を及ぼしかねません。

40代だからこその強みである経験値やスキルが足かせになってしまわないよう、過去の経験にこだわりすぎず、新しい会社のやり方に柔軟に対応していこうという姿勢が大切です。
積み重ねてきた経験と新たに吸収した知識・スキルを組み合わせることで新たなアイデアや価値が生まれ、大きな貢献につながる可能性もあります。

また、転職の前後でのギャップをなくすために、選考時にイメージをすり合わせることも重要です。自分自身の知識・スキルを正しく把握し、期待値に届いているのか、過小および過大評価はないかといった確認は怠らないようにしてください。

40代以上はフットワーク軽く、求人にふれ続けることが重要

40代の転職活動を長期化させないためには、フットワーク軽く活動することと、事前の準備を怠らないことが大切です。40代は20代・30代と比べるとお互いの要件にマッチする求人が少ないことも事実ですが、スカウトサービスなどに自分の経験を登録することでオファーを受けたり、ヘッドハンターと会って求人にふれ続けたりすることで、待ちの姿勢にはならないはずです。より良い出会いのためにも、幅広く求人情報にふれることをおすすめします。

ハイクラス求人は、1名枠の求人がほとんどです。その中から、自分の希望やスキルにマッチした求人を見つけなければなりません。大事な選択・決断になるからこそ、アンテナを高く張って情報収集しておきましょう。

関連記事:【40代の転職】その現実や成功のポイントとは? 現役ヘッドハンターに聞く

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ハイクラスに特化した転職サービスなら年収アップも狙える

40代以上の転職は、じっくり着実に進めることが重要です。とはいえ、自分にマッチした企業か否かを判断するための情報収集をはじめ、自分ひとりで進めるのは苦労も多いはず。
転職活動にかかわる悩みや不安を少しでも払拭したい場合は、ハイクラス転職に特化した転職サービスを利用するのがおすすめです。

ヘッドハンターには多様な企業の人事担当者から生の情報が寄せられます。豊富な求人情報と転職検討者の条件や経験・スキルを照らし合わせることができるので、適切なマッチングも可能です。

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現在の会社で長く経験を積んでいればいるほど、「自分はもう定年までこの会社にいるだろう」「この歳で転職はできない」と思い込んでいる方も少なくありません。しかし、今の環境がすべてではありません。その専門性と経験を活かすことができる企業は必ず存在し、さまざまな可能性が広がっています。

今の会社にこのまま居続けていいのかと悩まれている方は、ヘッドハンターとの面談を通して、自身の仕事観、価値観を確認してみるのがおすすめです。自己理解が深まり、転職活動の中で強みとなる経験やスキルを正確に把握することにもつながります。

ハイクラス特化の転職サービスを上手に活用して、「40代だからこそ」の転職へ一歩踏み出しましょう。

勝又 彰(かつまた・あきら)

パーソルキャリア株式会社 ハイキャリア支援ゼネラルマネジャー

【経歴】
2001年に総合人材サービス企業である株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)に入社。22年間一貫して、個人の転職と企業の採用を結ぶ人材紹介業に従事。キャリアアドバイザーとして、20代から50代まで役員、CXOを含め職種や立場を問わず2,000名を超える方々のキャリアカウンセリングおよび転職活動に伴走。ハイクラス向けのヘッドハンティング事業の立ち上げにプレイングマネジャーとして参画し、企業の経営課題、事業課題解決に向けた採用支援の実績も豊富。マネジャー・部長として15年を超えるマネジメント経験を持ち、現在はdodaにおいてハイクラス層の転職支援を担当する部署を率いる。
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