35歳以上での転職は難しい?ハイクラス転職で成功するポイントを解説

ビジネスパーソンとして経験を重ねた35歳以上の方の中には、今後のキャリアプランや働き方について考える方も多いのではないでしょうか。現在、転職市場は働き方改革やDX、定年延長の動きによって急速に変革を迎えています。
多くの企業が、35歳以上のミドル層に注目。かつて存在した「35歳転職限界説」「35歳の壁」という言葉は、もはや存在していないといえるかもしれません。

また、企業では幅広い知識や経験・専門性の高さを求める動きが強まっており、以前と比べると35歳以上で転職を成功させることは一般的になっています。さらに、年収アップや、リーダー・管理職といった裁量の大きいハイクラスポジションへの転職や新たな分野へのチャレンジも、必要な経験・知識があれば十分狙うことができます。
この記事では、35歳以上の方の転職市場の実態と、35歳以上の方がハイクラス転職に成功するためのポイントについて解説します。

35歳以上は転職の好機となることも

企業の中で35歳以上といえば、経験を重ね、マネジメントや責任のある立場などを経験している方も多い年代です。現在の会社の環境になじみ、会社が自身に求める姿を理解して幅広い視野と高い専門スキルで柔軟に仕事を遂行している方も多いことでしょう。
かつては、35歳からの転職が難しいとされる「35歳転職限界説」や「35歳の壁」という言葉が存在しましたが、現在では耳にすることも少なくなりました。その理由を、下記でご紹介します。

キャリアアップや希望待遇に合わせて転職をするスタイルが定着してきている

dodaが実施した「転職成功者の平均年齢調査」(2022年)では、30代後半(35~39歳)、40代(40歳以上)を合わせた転職成功者の年代別割合は「26.7%」でした。35歳以上が実際に転職を成功させ、新しい環境で活躍していることがうかがえます。

転職成功者の年代別割合(2022年)

参照:転職成功者の平均年齢調査【最新版】|doda

また、dodaが調査した「転職理由ランキング2022」によると、30代、40代が挙げる転職理由は「昇進・キャリアアップが望めない」「給与が低い・昇給が見込めない」「スキルアップしたい」などが高い割合に。
これらの転職理由から、同じ企業に定年まで勤めて徐々にキャリアアップを目指す終身雇用制に基づいたキャリアの築き方ではなく、自分の経験・スキルに応じたキャリアアップや待遇の改善を求めて転職を考える姿がうかがえます。

近年、DXやIT化などの変革により、転職市場では新しい業務や技術に対応できる人材のニーズは高まっている状況です。特に、30代後半以降を対象とする中途採用のマーケットでは、経験や専門スキルが豊富な即戦力の人材に、新規事業開発や管理職候補、事業のコアとなる技術開発などの役割を期待している企業が多くなっています。
つまり、現在の転職市場では、「何歳までに」といった年齢の区切りで語られることはあまりなくなったといえるでしょう。今後も、年齢を問わない優秀な人材確保の動きは各企業で活発になることが考えられ、キャリアアップや希望待遇に合わせて転職を考える人にとっては好機と考えられるでしょう。

参照:転職理由ランキング【最新版】 みんなの本音を調査!|doda

ハイクラス向けの求人数は増加傾向

現在、中途採用を対象にした求人数と転職希望者数はともに年々増加しており、求職者1人当たり何件の求人があるかを示す指標である求人倍率は2023年9月度で2.39倍、前年同月の同じ調査と比べると0.28ポイント上昇しています。

doda転職求人倍率・求人数・転職希望者数

参照:転職求人倍率レポート(2023年9月)|doda

事業拡大のために新規事業やグローバル化をビジョンに据えている企業の多くは、人材不足に陥っています。多くの企業で、即戦力となる人材を外部から迎える必要があり、さまざまな専門スキル、経験を持つ35歳以上の人材は、その求められる人材像と重なる部分も大きいといえるでしょう。

熱量・コミュニケーション能力が高い人材は企業に熱望される

企業が35歳以上の人材に求める能力は、豊富な経験やスキルだけではありません。企業は、35歳以上のビジネスパーソンに対して、これまでの経験や専門スキル以外にも、新しい業界や分野に挑戦しようとする意欲や向上心、リーダーシップやコミュニケーション能力にも期待しています。面接の際には、自分が挑戦したいと思っていることに対して熱意を持って話せるかどうかが重要です。

これまで培った経験、専門スキル、リーダーシップは、マッチングさえすれば未経験の異業界・異職種で活かすことも可能です。このときに大切なのは、新しい業界・職種にチャレンジしようという意欲と必要なことを学び直す向上心、今までの経験を転職先でどう活かせるかを考え行動する気概でしょう。

応募先の企業でどういった人材が求められていて、期待されているのかを理解して採用の意図をくみ取り、自身のスキルや気概を転職活動の際にアピールすることができれば、採用する企業側から見れば何をアピールしたいと考えているのかが明確になり魅力的な人材に映るはずです。

ダイバーシティ経営ではさまざまな人材が歓迎される

近年、多様な背景や考え方、キャリアを持つ人材を採用することで、企業としてさまざまな環境変化や課題に即応するというダイバーシティ経営を掲げる企業が増えています。既存社員とは違う魅力を持つ人材を確保することで、新しい価値を創造していくことが狙いです。

そもそも、中途採用の企業側の目的としては、「新人(第二新卒)・若手社員の人員強化」「経験者・即戦力人材の強化」「年齢構成の補正」などが挙げられます。20代の若手層や既存の30~40代社員とは違う人材を中途採用することで、さまざまな事業や案件の中で課題を解決することができる強い組織をつくろうと考えています。

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ハイクラス転職に成功した35歳以上の事例

実際に、doda Xでハイクラス転職に成功した35歳以上の事例をご紹介します。業界や職種は異なりますが、いずれも年収アップを実現させていることが分かるでしょう。

【36歳】経営管理コンサルティング会社からアプリ企画開発会社へ転職

転職前 経営管理コンサルティング会社 公認会計士・マネジャー
転職後 アプリ企画開発会社 経営管理・ゼネラルマネジャー
転職活動期間 約3カ月
面接した企業数 1社
転職前年収 1000万円
転職後年収 1050万円

【37歳】生命保険会社から生命保険会社へ転職

転職前 生命保険会社 資産運用
転職後 生命保険会社 資産運用・マネジャー
転職活動期間 約8カ月
面接した企業数 6社
転職前年収 800万円
転職後年収 950万円

【37歳】情報システム開発会社からITコンサルティング会社へ転職

転職前 情報システム開発会社 SI・課長代理
転職後 ITコンサルティング会社 コンサルタント・マネジャー
転職活動期間 約2カ月
面接した企業数 8社
転職前年収 900万円
転職後年収 1200万円

【38歳】大手アパレルメーカーから楽器総合メーカーへ転職

転職前 大手アパレルメーカー IT
転職後 楽器総合メーカー UXデジタル推進
転職活動期間 約2カ月
面接した企業数 7社
転職前年収 700万円
転職後年収 750万円

【関連記事】わたしの転職体験談 30代|doda X

35歳以上の転職者に必要なスキルや経験とは?

企業は35歳以上の転職希望者に、どのようなスキルや経験を求めているのでしょうか。特に、35歳以上のハイクラス転職を目指す人に求められているスキルと経験は、下記のとおりです。

現場で活きるリーダーシップ・マネジメント能力

35歳以上の方であれば、チームのリーダーや課長職クラスの経験がある方も多いでしょう。その中で培われたリーダーシップやマネジメントスキルは、転職先で重要なポストに就くためには不可欠な能力といえます。提示されたミッションや課題解決に向けて方針を示し、チームをまとめ、計画・実行する力が求められます。

採用面接ではこれまでの業務の中で、どのようなチームマネジメントやプロセス改善を行ったのか、またはどのような成果を出せたのかを具体的に示すことが大切です。チームの中心となって、主体的にプロジェクトを推進・管理した経験があれば、大きな強みになります。

現場で成果をあげるプレーイングマネジャーとしての能力

35歳以上の管理職候補に求められるのは、リーダーとしてチームをまとめながら、自身でも現場で手を動かしながら決断していく能力です。リーダーは突発的に起きた課題に対応しながら、日々の業務も止めずに遂行する強い実行力が必要です。特に、30代の管理職候補には、リーダーの資質を持つプレーヤーとしての働きも期待されています。

仮に、リーダーや管理職の経験がない場合も、リーダーとしての素養があるかどうかを語ることができれば、企業は着目します。これまで携わった不定形なプロジェクトに、いかに取り組んだかといった仕事に対する姿勢や、後輩・同僚社員とのコミュニケーションの中で意識していたことなどを振り返り、課題解決した経験を具体的にアピールすることをおすすめします。

変化に強い、柔軟性と適応力

35歳以上の転職者に対する企業側の懸念の一つが、新しい環境に溶け込もうとしてくれるかどうかです。ビジネス経験が長いと、どうしても自分のやり方や成功体験に囚われてしまいがちなものです。しかし、企業は35歳以上の中堅層にも、新しい環境に順応し、社風に慣れて力を発揮してほしいと考えています。

採用面接では、新しいことに挑戦する意欲をアピールしつつ、新しい仕事に取り組むための適応力、順応力を持つことも示すといいでしょう。これまでの職歴の中で、環境や状況の変化があった際にどのように行動をして成果を得たのか、できたことのエピソードがあれば、自己PRに含めるのがおすすめです。新しい環境に変わることに前向きで意欲的であることが伝わります。

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35歳以上で転職に成功するためのポイントとは?

35歳以上でキャリアアップを視野に入れた転職に成功するためには、事前の準備が不可欠です。

採用面接で大切なことは、自分の経験してきたことや専門スキルなどを、志望する企業にマッチした形で正しく伝えること。また、挑戦したいと考えていることについて熱意を持って話せること。さらに、応募先の企業で求められていることをくみ取り、期待されていることに沿って転職後にどのように事業に貢献することができるのかを意欲的に話し、活躍する姿を具体的にイメージできるようにプレゼンテーションすることです。

何をアピールしたいかが明確で、それが募集求人に合致しているかどうかが重要です。ここでは、35歳以上で転職に成功するポイントについて、詳しく見ていきましょう。

事業方針やビジョンを理解し、具体的な貢献イメージを伝える

これまで培ってきた経験や専門スキルはもちろん、コミュニケーション能力やリーダーシップなど、自分の持つ価値、成果を振り返ることが重要です。キャリアの棚卸しをすることで、転職市場での自分の価値を知ることもできます。キャリアの棚卸しをする際には客観的な視点で、自分の持つスキルや経験を正しく把握・評価することが重要です。

棚卸ししたキャリアを整理し、採用面接時にプレゼンテーションできるように準備しておきましょう。応募先企業のビジネスモデルやビジョンに対して、自分のキャリアがどのように役立つのか、どのスキルがどのような貢献につながるのかをアピールできるようにしておくのがポイントです。応募先企業が複数にわたる際、自己PRは使い回しせずに、その企業が求めている人材像に照らして都度修正します。

客観的な自己分析をすることで、まだ転職の時期ではないと感じたなら、今は転職成功に向けて強みを磨く時期かもしれません。転職エージェントに相談することで、自分では気づかなかった強み、今の会社で伸ばしたほうがよいスキルなどが見つかることも。非公開求人の紹介やプロならではのサポートなど、さまざまなメリットがあるので上手に活用してください。

異業種への転職も視野に入れて考える

「何のために転職をするのか」という自分の転職軸が決まったら、その希望に合った求人を探します。同業種だけで探すのではなく、異業種転職も視野に入れて転職先を検討するのがおすすめです。実際、doda Xでは多くの方が異業種転職を決めていて、自分の培ったスキルを新しい分野、別業界の企業で活かす方も増えています。

特に、DX戦略に関わるIT系職種であれば、異業種転職の可能性が広がります。IT業界で培ったスキルを金融業界や食品業界で活かすなど、視野を広げた転職を成功させている方も多くいます。

自分のスキルや経験がどのような業界で活かせるのか、中長期的なキャリアの方向性を見据えて検討するのがおすすめです。応募先のポジションに自分のスキルが活かせそう、希望するキャリアアップが可能だと思えたら、企業研究をして理解を深めましょう。

「給与」や「待遇」などの表面的な条件は、今後のキャリアを決める上での指標の一つです。転職の応募先を考える際は、「何のために転職をするのか」という転職軸がぶれないように振り返りながら、自分はその企業のミッションのために何が果たせそうかという視点で検討するのがおすすめです。

経験に応じたリーダーシップをアピールする

35歳以上のミドル層の場合、リーダーや課長クラスといった管理職の経験が問われることが多いでしょう。自身のマネジメントの経験を振り返り、そのプロセスの中での成功事例、成果を明確にアピールしてください。

リーダーシップといっても、5人のチームを率いていたのか、200人の部下をまとめていたのかでは、培われたマネジメント力が異なります。志望先の求人が「新規事業を数人で立ち上げる」というミッションを持つ場合は、前者のように自身でも動きながら小まめにマネジメントを行うリーダー像を求めていることも多いもの。自身がマネジメントしたことがある事業規模についても、率直に伝えることで入社後のミスマッチをなくすことにつながります。

35歳からこそが転職のチャンス!ハイクラス特化の転職サービスの活用を

35歳以上の多くの方が、転職によってスキルアップをかなえ、中にはハイクラス転職で希望の年収、ポジションを得ている方もいることが分かりました。スキル、経験値ともに高い35歳以上の人材は、新しい環境でもリーダーシップを持つ即戦力として期待されており、企業の採用熱も高い状況といえます。

35歳以上の方が転職を検討するなら、まずは自身のキャリアプランを検討し、自分の持つスキルや経験を棚卸しすること。そして、「何のために転職するのか」という転職軸を決めることが重要です。その上で、ベストな転職先を見つけられればハイクラス転職も夢ではありません。

ビジネスパーソンとして中堅・ベテランになり、「転職で失敗はできない」と思っている方におすすめなのが転職エージェントの活用です。キャリアの棚卸しを客観的にサポートし、自分では思いつかなかった異業界でマッチングする求人を提供することもでき、選択肢が一気に広がります。
また、ハイクラス転職専門のdoda Xなら、ヘッドハンターからスカウトを受け取ることが可能です。
ヘッドハンターとの面談で、希望する企業の条件や仕事内容、ポジション、年収などをお伺いし、さまざまなハイクラス層向けの求人スカウトを受けとることができます。履歴書や職務経歴書の作成のサポートなどを受けることも可能。ハイクラス転職成功の大きな力として、ぜひご活用ください。

齋藤 久敏(さいとう・ひさとし)

パーソルキャリア株式会社 ハイキャリア支援ゼネラルマネジャー 国家資格 キャリアコンサルタント

【経歴】
2007年に株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)に入社後、キャリアアドバイザーとして転職を考える方々の転職支援を経験した後、リクルーティングアドバイザーとして法人顧客に対する採用コンサルティングに従事。その後、マネージャーの経験を経て、関西エリアのゼネラルマネージャーとして全領域の法人営業組織の責任者を経験。現在はハイクラス専門のキャリアアドバイザー組織を管掌。

<メッセージ>
製造業やIT業界などを中心に、リクルーティングアドバイザー(法人)・キャリアアドバイザー(個人)の双方でのキャリアを積んでおります。
個人・法人の双方の視点を持って、今後のキャリアを見据えた最適なご提案やフォローを行わさせていただきます。
昨今、ワークとライフの境目がよりあいまいになり、まさに、キャリアオーナーシップが求められる時代になっています。
一般的にいわれるキャリアアップが果たして本当に正解なのかは一概には言えなくなっている中で、一人ひとりの人生がより豊かになる可能性を、ともにディスカッションしながら考え、ご支援をさせていただきたいと考えております。

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