管理職の採用面接では何を聞かれる?対策に役立つ質問と回答例文集

高いスキルが求められる管理職の採用では、面接が重視されます。一般社員の面接とは、異なる観点が求められる質問もあるため、対策は必須といえるでしょう。
この記事では、面接内で自分の強みをうまく打ち出すための回答のポイントを解説します。押さえておきたい頻出質問と回答例も参考にしてください。

管理職と一般社員の採用面接の違いとは

企業が、新たに管理職の求人を出す際には、必ず採用の背景があります。例えば、「既存事業の成長を促す新たな担い手が必要となった」「新規事業を立ち上げることになった」「社長直轄案件を担当する事業部長が社内にいない」「役員候補が社内にいない」などです。既存社員にはないスキルや経験を持った成熟した人材を獲得し、入社後には組織の根幹となってほしいと考えています。

そのため、求める人材像はピンポイントで具体的です。面接での質問に対する回答にも具体性が求められるため、入念な準備が欠かせません。管理職は一般社員と異なる観点での質問をされるケースもあるので対策を立てておきましょう。
管理職を対象にした採用面接の特徴は、下記のとおりです。

幅広い観点から質問される

管理職の面接では、戦略的思考力、リーダーシップやマネジメントスキル、テクニカルスキルやポータブルスキル、それらを裏打ちする本人のビジョンや思いなど、業務スキルの確認だけにとどまらない、複合的なスキル・経験・考えに関する質問がされます。新しい会社でも再現性があるかどうか納得感を持ってもらうことが要求されるため、回答の難度が高いといえるでしょう。

会社・組織・事業全体への貢献度をより問われる

管理職の面接では、自身のキャリア・スキルに関わる質問だけでなく、会社や事業への貢献度、もたらした成果を聞かれることが多々あります。過去のプロジェクトを成功事例として挙げるなら、「どのような課題があり、リーダーとしてどのように解決を主導し、結果としてどのような成果・評価を得たか、それが自組織のみならず事業全体にどのような良い影響をもたらしたかなど」を、具体的に語ることが大切です。

経営層・役員などとの対話で意見が求められる

管理職の面接では、経営層や役員などが面接官になることも多いでしょう。会社のビジョンや経営戦略に対して意見を求められることもあるかもしれません。
「企業のビジョンを達成するために足りないものはあるか」など、自分の役割や業務視点だけではなく、競合状況や業界構造、経済や社会の動きを理解した上で企業の方向性について考えられるかを確認される可能性があるので、事前の情報収集は必須です。

多角的な情報収集で事前準備を

経営理念やビジョン、経営方針、事業内容などはもちろん、Webサイト上の企業情報やIR情報、経営者トップや現場社員のインタビューなどがあれば目を通しておき、語る内容に反映させましょう。
それらの情報から企業文化や求める人材像なども見えてくるので、自分に合った企業か否かの判断材料を増やすという点からも有益です。

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管理職の面接でアピールすべきポイント

管理職の面接では、志望動機やエピソードといった一般社員の面接でアピールするポイントに加えて、下記の5つを押さえることが大切です。

  • 自身の経験・スキル・実績
  • 企業のミッションやビジョンに共感できる点
  • 企業のミッションや管掌範囲を踏まえた入社後の成果イメージ
  • チームワークを重視する姿勢
  • リーダーシップ、コミュニケーション能力、問題解決能力

これらのポイントをアピールするためには、管理者としての経験やスキル、実績を、具体的に自分の言葉で整理しておくことが求められます。
例えば、どのようなミッションの中でどんな問題が起き、そのときにどう考え、どのように対処したのか、また、解決に向けて、どのようにチームをまとめ、どのような成果を出せたのかを、初めて聞く人にも端的で分かりやすく伝わるようにまとめておくとよいでしょう。

管理職の採用面接で聞かれる質問と回答例

doda Xでは、多くの管理職の転職活動をサポートし、転職を成功に導いています。その事例をもとに、管理職の面接で聞かれる6つの質問と回答例をまとめました。採用担当者の質問の意図を踏まえて、回答を自分自身のケースで考えてみましょう。

質問1:管理職としてどのような役割・業務範囲を担っていましたか?

質問の意図

対象者が備えている管理者としての経験やスキルを把握し、将来的な職務適性や貢献度を評価するための情報を得ることを目的としています。また、職務の中でどのような成果を上げたのかについても知りたいという意図があります。

回答例

私は現在の会社では、30人のメンバーのマネジメント業務を担っています。管理職としては、チームや部署全体の業務遂行、組織運営に関する幅広い業務を担いながら、メンバーの育成やスキル開発にも注力しています。

昨年はセールスのリソース不足を課題と感じ、業務効率化に注力すると決定。営業体制の見直しを図り、利用する営業支援ツールを変更。メンバーそれぞれのタスク把握と注力するポイントを整理するとともにツール導入で事務処理工数を軽減することで、より注力したい業務にメンバーそれぞれが力を注げるようになりました。結果、リード獲得について昨年度は目標に対して86%と不調だったのに対し、2023年度上期では105%の成果を出すことができました。

質問2:管理職として困難に直面した機会と、それにどう対処したかを教えてください。

質問の意図

管理職として過去に直面した課題や困難をどう捉え、それに対してどのように対処したかを知るための質問です。これによって、どのような問題解決能力やリーダーシップを持っているかを把握し、今後同様の状況に直面した場合の対応力を評価します。

回答例

私が苦労したことは、メンバーのモチベーションやコミュニケーションの取り方に関することです。業務に取り組む意欲がないメンバーがいたり、コミュニケーションの不足から課題がうまく解決できないことがあったりしました。

モチベーションの低いメンバーについては、関係者やメンバーと話したところ、役割や責任が不明確であることが原因だと分かりました。そこで、目標や業務の意義を共有した上で、役割や責任を明確化して伝えるよう改善したところ、徐々にメンバーのモチベーションが向上し、売り上げにも貢献できるようになりました。

コミュニケーション不足の課題については、よりオープンで透明性の高いコミュニケーションへと改善しました。具体的には、メンバーが成長するための環境づくりを意識し、フィードバックや研修などの機会を設けることを心掛け、メンバーのモチベーション向上やコミュニケーションの改善を実現することができました。結果的に、チーム全体の業務効率化にもつながったと感じています。
このような経験から、課題や困難に直面した際には、原因を特定することが重要であると考えています。また、メンバーの成長やチーム全体の成果につながるような環境づくりを積極的に行うことも意識してきました。

質問3:管理職としてメンバーへの接し方で気をつけているポイントは?

質問の意図

管理職としてどのようなリーダーシップスタイルを持っているか、メンバーとのコミュニケーションで重点を置いていることは何かを把握することが狙いです。

回答例

私がメンバーとの接し方で気をつけていることは、コミュニケーションとやりがいへのアプローチです。コミュニケーションでは、相手の意見や意図を理解するように心掛けています。また、メンバーが意見を出しやすい雰囲気をつくるために、常にオープンマインドで聴き、適切にフィードバックを行うようにしてきました。

やりがいの向上について配慮しているのは、メンバーの個人的な成長やキャリアアップについてです。メンバーそれぞれが持つスキルや今後のキャリアへの志向性を把握し、適切な業務配分を行うとともに、研修機会などを提供し、成長支援をしています。また、メンバーが仕事を楽しめるような職場環境を整え、モチベーションを維持することも大切だと考えています。
このようにすべてのメンバーがやりがいを持って働けるよう、これからも心掛けていく所存です。

質問4:自組織の課題は何ですか?それに対してどう対処しましたか?

質問の意図

管理者として、課題解決力があるかを探るための質問です。その回答によって、課題に対して論理的に思考、分析することができるか、リーダーシップ力を持っている人材なのかを見極めます。

回答例

業務やプロジェクトの問題・課題に対しては、「原因の把握」「コミュニケーション」「マネジメント」の3つからアプローチします。

まず、案件で問題が発生した際は背景や要因を分析し、根本的な対策を検討。その上で、解決策の実行に必要なリソースやスケジュール、人員の配置などの計画を立てます。
次に、関係者とのコミュニケーションを密に取ることも重要です。問題の発生状況や対策の進捗状況を定期的に共有し、共通認識を確認しながら対応を進め、解決のためのアイデアや提案を積極的に受け入れて、チーム全員で取り組む土台をつくります。

さらに、生産効率を改善するためには、プロジェクトや業務の進捗管理も欠かせません。タスクやスケジュールを明確に定義し、メンバーが作業に集中できる環境をつくってきました。また、進捗状況や課題の把握に役立つツールやシステムを積極的に活用し、リアルタイムでの情報共有を実現することで、問題や課題に早期に対応していきます。

このように柔軟性を持ち、状況に応じて適切に判断しながら、プロジェクトや業務の成果を最大化することを意識しています。

質問5:業務やプロジェクトの意見が割れたらどう対応しますか?

質問の意図

業務やプロジェクトを進めるプロセスで、チームメンバー間で意見が割れた場合にはどのように状況を捉え対処し、プロジェクトを推進していたのかを知ることが狙いです。複数いるメンバーをどうまとめ上げ、リーダーシップをとる人材なのかを見極めます。

回答例

メンバー間で意見が割れた際には、双方の意見を尊重しつつ、客観的な判断を導き出すように努めています。
意見や考え方にはそれぞれの理由があるはずです。そこで、双方が意見を出し合う場を設け、互いの意見に対して十分に耳を傾けるようにします。

意見を出し合う際は、必要に応じて客観的なデータや事実に基づいた論理的な判断を重視し、どちらが正しいかを主観的な意見のみで判断するのではなく、論理的な判断を導き出すように心掛けます。このようなアプローチにより、双方が理解を深め、折り合いをつけて共通点を見いだせたケースもありました。

また、プロジェクトや業務に外部の関係者が関わっている場合、その立場からの意見を聞くことで、より客観的な判断の参考にします。最後に、合意に至った際には結論を明文化し、その後の進捗や方針の決定に反映させるようにしてきました。
今後も業務やプロジェクトの意見が割れた場合、個人の意見や立場にとらわれることなく、客観的な判断を導き出すように努めていきたいと考えています。

質問6:弊社やこのポジションへの志望動機を教えてください。

質問の意図

この質問には、どのような目的や目標を持って転職したいと考えているのか、ビジョンや理念、管理哲学を知りたいという意図があります。

回答例

自分の興味関心の高いこの領域・業界で、自分の能力や経験をより高いレベルで発揮し、より多くの人々に貢献したいと思ったからです。私はこれまでに、個人のスキルや能力を伸ばすための計画を立て、チームメンバーを指導してきました。その経験から、新しい環境の中でも自分の考えやアイデアを周りの人々に伝え、組織に貢献していきたいと考えました。

また、自分自身が成長するためにもマネジメントスキルを今後さらに磨くことが必要だと考えています。部下が成長を実感できるように指導し、チームとして目標を成し遂げることができたときの達成感は、管理職として働く醍醐味だと思います。

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「何か質問はありますか?」の逆質問にも事前準備を綿密に

面接時における逆質問は、熱意や志望度、情報収集の深度などをアピールするチャンスと捉え、しっかりと準備することが大切です。その際、どの企業にも通用する質問ではなく、下調べで得た情報を活かしてオリジナルな質問をおすすめします。転職後に組織に貢献したいと考えている気持ちが伝わる逆質問として、参考になる例をいくつかご紹介します。

<逆質問例>

  • 〇〇事業の喫緊の課題感について教えてください。
  • 組織のカルチャーや価値観はどんな特徴があるでしょうか。
  • 組織の成果に貢献するために、管理職への期待や役割について教えていただけますか?

入社後に働いている姿をイメージしてもらえるような、アピールにつながる質問を心掛けてください。

管理職の採用面接を突破するには、ヘッドハンターが持つ「生の情報」を活かそう

管理職の採用面接は、一般社員向けの面接とは質問内容が大きく異なります。企業にとっては、重要なポジションを任せる人材の選考です。どのようなスキルと経験を持っているのか、それらを活かしてどのようなマネジメントを行い、成果を出していけるのか、企業文化になじめるかなど、慎重に見極めたいと考えるのは当然といえます。
自分の経歴を効果的にアピールするためには、事前準備が必要です。事前準備は、自分にマッチした企業か否かを判断する上でもプラスとなります。さまざまな側面から情報収集を行ってください。

事前準備をより徹底したいという方には、企業やそのポジションの採用に詳しいヘッドハンターとコンタクトを取ることをおすすめします。企業の人事担当とのコネクションがあるため、「このポジションの採用背景は何か」「面接ではどんなポイントが重視されるか」などネットには書かれていない、生の情報を共有してくれます。

doda Xでは、ヘッドハンターから非公開求人を含む、希少なスカウトが届きます。また、転職活動のサポート体制も充実しており、キャリアの棚卸しやキャリアプランなどについても、プロならではの目線からアドバイスすることが可能です。
管理職ならではの面接対策も、万全を期することができるでしょう。ヘッドハンターをうまく活用することで、効率的にポイントを押さえて転職成功を目指しましょう。

doda X編集部

ハイクラス向け転職サービスdoda Xの編集部です。
ハイクラス転職の成功に向けたノウハウや中堅社員ならではのキャリアのお悩みに関する情報発信を通じて、キャリアを自ら選択し次のステップを目指す方々を応援します。

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